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亀井邸 [Japan]

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鹽竈(しおがま)神社・の大鳥居をくぐり、緩やかな裏坂の左手の高台
赤松に囲まれた洋館と和風住宅「旧亀井邸」があります(入場無料で一般公開)
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「亀井」とえば「カメイ」 今や東北を代表する総合商社です
ここは、カメイの初代社長が大正時代に建築した邸宅
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この建物は伝統的な和風建築と西洋建築を併用して作られた「和洋併置式住宅」というもの
建築史的に視ても、かなり貴重な建築物です
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明治時代に上流階級(皇族、華族階級)の大邸宅に用いられた「和洋二館住宅」を
上層階級の庶民が手の届くようにした・・・建て方だそうです
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塩釜港の繁栄と「亀井商店」の隆盛を象徴する亀井家の建物
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仙台市大町で雑貨商を営む「高野商店」での奉公を終えた亀井文平氏が
塩竈町門前52番地(現・丹六園西隣)に暖簾を掲げ
亀井商店は明治36年(1903年)7月に創業しました
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文平氏が20歳、岩手県岩谷堂の故郷を出て数年後のことだそうです
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当時の塩竈は、明治20年に東京・塩釜間を起点とする東北本線が開通し
同時に電信も開通するなど、近代都市の整備が充実し始め
仙台の門戸港として、また東北各地へ出入りする貨物の中継基地として賑っていました
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函館が栄えた事を風の噂に聞き、宮城の港町に注目したのでしょう
文平氏は、荷揚げに便利だった祓(ハライ)川(現北浜・沢乙線)に面した場所に
砂糖、小麦粉、食用油、髪油、灯油やろうそくの製造販売の店を開店しました
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亀井商店が現在の総合商社としての基盤づくりをした時代ですね
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どこか懐かしさを感じつつも、古臭さみたいなものを感じさせないこの建物も
亀井氏・カメイの「先見の目」を感じます
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伝統的な和館(日本建築)に洋館(西洋建築)を併置して建てられているからだと思います
和館には、当時の町屋建築に多く見られる出桁(だしげた)造りが採用されています
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二階は付書院に違い棚も付く格式高い書院造の座敷があり
欄間には蝙蝠の図案による透かし彫りがありました
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なんでも日本石油の社章が蝙蝠の図案によるものからだとか・・・凄い高邁な志^^
面白いのが二階へ上がる階段の踊り場
まるで料亭のように~四方向へと階段が伸ばされているのは
沢山のお客様が訪れた事を偲ばせます
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和館と洋館、共に豊富な資金と優れた材料、優れた技術が投入され
随所に当時流行した様々なデザインを取り込みつつ、相当手をかけて造り込まれています
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外壁には、当時パリから始まった植物の「枝」や「つる」を思わせる
「曲線の流れを特色とするアールヌーボー様式」
ウィーンを起点とする「水平線、垂直線を強調し、幾何学模様を多用するセッション様式」
等のデザインも取り入れられて見事でした
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丁度、雛のイベントが密やかに行われていました
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吊るし雛作者さんもいらしていて、私も数個購入しました
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お爺ちゃん・お婆ちゃん・ほんの一瞬マスクを外し微笑む子
塩竃の史・3.11・コロナ・・・夫々の思い重なる「春」のshot
塩竃市内を一望する「亀井邸」 2021年・雛の節句を祝う静かな時が流れていました
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