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芍薬の花 [deep emotion]

秋田県湯沢市にある絶世の美女、小野小町にちなんだ「小町芍薬苑
100種類・6000株の芍薬が、毎年6月上旬から約1ヶ月間見頃を迎えます
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平安歌人「小野小町」の生誕の地とされる秋田県湯沢市小野
小町伝説と伝承史跡に彩られた地であり、多くの言い伝えがあります
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「小町が愛した芍薬の花で、小町ゆかりの地を広く知ってもらいたい」
そんな想いから、平成元年に芍薬専門の展示植物園として「小町芍薬苑」は開園
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芍薬の花と共に~小野小町と芍薬の由来について少し・・・(私も学びました^^)
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小町は13~36歳にして故郷恋しさのあまり京の都の宮中を退き
生地小町の里に帰りました 
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その後、小町は庵を造って閑居し歌にあけ、歌に暮らしたとの事
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小町が突然京から姿を消した事で、どうしたことかと心を痛めていた「深草少将」
絶世の美女であり才女の小町・・・色々思うところがあったのでしょうね
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風の便りに小町が出羽の国に居ると聞き
少将は小町に逢いたさのあまり、その筋へお願いし郡代職として
小町の生地・秋田の小野の地へ東下りをしました(私なら考えられないけど・・・)
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小町の里にたどりついた深草少将は、平城長鮮沢にある長鮮寺(天台宗)に住み
小町との逢瀬を夢に描いて恋文を送りました
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この恋文を見た小町は、次の一句をもってお返歌を・・・
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忘れずの 元の情の千尋なる 深き思ひを 海にたとへむ
(ん~本音なのか、思わせぶりなのか・・・と悩むところ・・・)
この返歌をもらった少将は、小躍りして喜び早速面会を求め小町を訪れたそうです
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ところが小町は少将と会おうともせず柴折戸を閉じたまま侍女を使い(ほらね^^)
「あなたがお送り下された文のように、私を心から慕って下されるなら
西側の堀の向こうの高土手に、わたしが幼い頃、都にたつ時植えていった芍薬があります
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それが不在中に残り少なくなって悲しんでいるのです
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だから、あの高土手に毎日一株ずつ芍薬を植えて、百株にしていただけませんか?
約束どおり百株になりましたら、あなたの御心にそいましょう」と、伝えたそうな・・・
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もうこれ以上男子にかかわりたくない・・・と思う美女ゆえの無理難題な願いでしょうね
突然この地へけって来た事からも~凄く良く分かります
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でも、男子は放っておかないのですよね
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少将はこの返事を聞き、百日とは待ち遠しいことでも~小町を慕うあまり
野山から芍薬を掘り取らせて植え続けることにしました
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明け暮れても明け暮れても~毎日一株ずつ・・・植えては帰って行ったとの事
小町は、こうした少将の後姿を
かすみたつ 野をなつかしみ 春駒の 荒れても君が 見え渡るかな
と口ずさみ見送っていたそうです
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が、この頃小町は疱瘡を患っていたのです
面影の かわらで年の つもれかし たとひ命に かぎりありとも
と歌い、嘆き憂いていた時・・・
少将が百日も通う頃には疱瘡も治ることだろうと
密かに寺田山薬師寺如来の社に日参し、寺の傍にある清水で顔を洗い
一日も早く治るようにと祈っていたそうです
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こんなこととは露知らず、深草少将は一日もかかすことなく、99本の芍薬を植えつづけ
いよいよ百日目の夜を迎えました この夜は、秋雨が降り続いたあと
川にかかった柴で編んだ橋はしとど濡れていました
少将は従者が「今宵はお止しになっては」との諫言もきかず
「百夜通いの誓いを果たさずば」と、百本目の芍薬をもって小町へ通いました
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しかし、降りしきる雨の中この願いは届かず、少将は不幸にも橋ごと流されみ命を絶つことに
小町はこれを聞いて日夜嘆き、これではならじと月夜に船を漕ぎ出し
少将の遺骸を森子山(現在の二つ森)に葬り、供養の地蔵菩薩を作り
岩屋堂の麓にあった向野寺に安置して、芍薬には99首の歌を詠じ、名を法実経の花といいました
実植して 九十九本(つくもつくも)の あなうらに 法実(のりみ)歌のみ たへな芍薬
そして少将の假の宿であった平城の長鮮寺には、坂碑を建てねんごろに回向しました
その後小町は岩屋堂に住み、世を避け香をたきながら自像をきざみ92歳で
いつとなく かへさはやなん かりの身の いつつのいろも かはりゆくなり
と、辞世を残して亡くなりました
入場料と引き換えにいただいて来た蕾が美しく花開きました[左斜め下]
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小町と芍薬  小野小町と深草少将
平安時代と言うと優雅さを感じますが、二人の悲恋の物語に登場する「芍薬」の花
手のひらほどもある大ぶりな花は、少将の熱い想いを彷彿とさせます
6月の小町まつりの時期は、芍薬にとっても丁度盛りの時期
種類ごとに開花時期も花の形なども千差万別、珍しい種類の芍薬も見ることができます
大輪の花々は、同じ種類なのかと驚くほど様々な表情で私たちを出迎えてくれます
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