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棟方志功記念館 [Japan]

棟方志功記念館は青森市にある板画作家棟方志功の作品を展示する博物館です
8月のねぶた祭りの帰りに立ち寄りました
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青森が生んだ世界に誇る板画家棟方志功の文化勲章受章を讃え
その芸業を末永く後世に伝える為、青森市をはじめ多くの方々の協力のもと、昭和50年に開館しました
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1903年・明治36年9月5日
青森市で代々鍛冶職を営んできた父棟方幸吉・母さだの三男(15人兄弟)として生まれました
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小学校卒業後、すぐに家業の手伝いに入ったため中学には行けませんでした
17歳の時に母が病没し、家運も傾き父親は鍛冶屋を廃業
志功は裁判所弁護士控所の給仕となりましたが、絵が好きだった棟方は
仕事が終わると毎日公園で写生をし、描き終わると風景に対して合掌したと言います
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少年時代にゴッホの絵画に出会い感動し「ゴッホになる!」と芸術家を目指したと言う事ですが
友人たちとの会話の中で「大きくなったらお前は何になりたいか?」の問いに
「私は絵描きになりたい」という趣旨であったそうです
ゴッホとは個人ではなく「絵描き」という職業のことだと思っていた、という説があります
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館内は撮影禁止 観覧料500円 日本は撮影禁止の美術館や記念館等が多すぎますね
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棟方志功の肉筆画作品は「倭画」と言われ、国内外で板画と同様に評価を受けています
津軽の厳しさ、現実を表す黒白の版画は矢張り観る者の心に迫り来るものがあります
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豪雪地帯出身のため、囲炉裏の煤で眼を病み・・・以来極度の近視となったそうです
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この様な近視の為に眼鏡が板に付く程に顔を近づけ
「軍艦マーチ」「第九」を口ずさみながら板画を彫リ続けました
会館で残されたその映像を拝見しましたが~
下書きもせず、スラスラと板を彫るその姿・・・正に神が下りて来ていました
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第二次世界大戦中1945年(昭和20年)、富山県西礪波郡福光町(現南砺市)に戦争疎開
約10年間移住しました 志功はこの地の自然をこよなく愛したそうです
そして~のちの作品の原型ともなる浄土真宗にふれ
「阿弥陀如来像」「蓮如上人の柵」「御二河白道之柵」「我建超世願」「必至無上道」等・・・
仏を題材にした作品を作り出しました
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67歳(1970年)文化勲章を受章
「僕になんかくるはずのない勲章を頂いたのは
これから仕事をしろというご命令だと思っております
片目は完全に見えませんが、まだ片目が残っています
これが見えなくなるまで、精一杯仕事をします」とコメントしたそうです
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下は『歓喜自板像の柵』57歳の作品です
大好きな先人たちに囲まれ、酒を酌み交わしている幸福感いっぱいのセルフ・ポートレート
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左上は「エヲカキニデル」ゴッホ、中央の石塔は尊敬する民芸学者・柳宋悦の象徴
右上は「ヨロコビノウタ」ベートーヴェンを讃える言葉
茶碗は陶芸家の河井寛次郎の象徴、そして中央に酔っ払って幸せそうに寝転ぶ自分自身
さらに棟方の右手には~愛するチヤ夫人の白く美しい手が繋がれている!
なんて幸せな作品なんでしょうね 
1975年(昭和50年)9月13日72歳で東京にて永眠
自ら“板極道”を名乗った棟方志功は
「自分が死んだら、白い花一輪とベートーヴェンの第九を聞かせて欲しい。他には何もなくていい」
という遺言を残したそうです
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棟方志功記念館 〒030-0813 青森市松原2丁目1番2号 TEL 017-777-4567 / FAX 017-734-5611
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himanaoyaji

芸術、美術、文化・・・、 himanaoyajiの辞書に無いんですよね(>_<)
版画は小学生の頃に年賀状の為に「芋版画」作ったのを思い出しましたあのまま続けてたら、もしかしたら・・・、 (^_-)-☆パチッ
by himanaoyaji (2015-10-07 06:01) 

hatumi30331

棟方志功の世界。
いいなあ〜
絵心無いけど、観るのは大好き!^^

個性が溢れてるよね。

今日もいいお天気。
大阪は、半袖の人もまだ3割いるよ。
by hatumi30331 (2015-10-07 06:52) 

よーちゃん

まさに“板極道”!
ノーベル賞受賞の皆さんもそうやけど
道を極める人って凄いです。。。
by よーちゃん (2015-10-07 07:02) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

関内の撮影禁止は、
薄暗いから,
カメラのFlashが光って気が散り、
ユックリ鑑賞が出来ないからかなぁ~!!と、
勝手な想像してますが、、、違うのかな??
理由を一度、聞いてみたいですね
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2015-10-07 07:15) 

まりっぺ

生涯、その道を極めて突き進むって凄い事ですよね。
誰もが出来る事じゃないものね^・^
記念館、大好きです。
少~しだけでも、その人の生き様なんかが見えたりして^^
同じ作品を見ても感じ方が違ったりなんかして^・^
芸術の秋!viviちゃんのブログにて・・・♪




by まりっぺ (2015-10-07 07:20) 

ma2ma2

棟方志功の作品は独特ですね!
記念館とか見るのも楽しそう(^^)
by ma2ma2 (2015-10-07 07:27) 

ryuyokaonhachioj

ありがとうね~
棟方志功記念館!!
青森から世界に誇る版画家が・・・冬の時期でも
寒さを凌ぎ熱心に板を彫ってる・・・だからこそ今にも残る
作品が出来るんでしょうと思います。
今日は、事務所用事で出かけるかも?

by ryuyokaonhachioj (2015-10-07 09:27) 

soujirou-3

一昨年青森旅行を企てましたが台風で中止しました
棟方志功館も予定に入っていました
森繁久彌の朗読、「わだばゴッホになる」を聞いて
感銘をうけました
by soujirou-3 (2015-10-07 09:43) 

raomelon

風景に対して合掌・・・
こんな真摯な姿勢から
世界中の人に感動を与える作品が生まれるのですね
セルフ・ポートレートのチヤ夫人の白い手が印象的です^^

撮影禁止の美術館や記念館多いですよね
たまに張り紙してないと本当に良いのか??不安になっちゃいます^^;
by raomelon (2015-10-07 10:15) 

koh925

芸術家として大成する人は、私のような凡人とは何かが違いますね
板獄道ですか・・私はナニ獄道かな(^^
前の記事の鳥の手・・決して私に勧めないでください(笑)
by koh925 (2015-10-07 15:38) 

prin4795

何も知らない頃から
棟方志功はすきで、かといって何も知らず

たしか椿の版画に圧倒されてました。
(違うかな?)
強さ!を感じます。
by prin4795 (2015-10-08 01:12) 

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